Core i7 12700のレビュー
Core i7 12700を購入したのでレビューします。
Ryzen 7 5800Xと比較していきたいと思います。
■付属クーラーについて
付属しているのはLaminar RM1と呼ばれるもので
ベースがアルミニウムではなく銅なので熱伝導率が高く
intelリテールの中ではマシな部類になります。
一見すると青いリング部分が発光しそうなものですが
発光はしません。
全てのリテールクーラーに言えることですがベース部分にはグリスが
塗られているためそのままつけて使えます。
固定方式はプッシュピンです。
■スペック
Core i7 12700K | Core i7 12700 | Ryzen 7 5800X | |
---|---|---|---|
想定市場売価 | 50,000円 | 44,000円 | 56,000円 |
コア数 | 12コア20スレッド | 12コア20スレッド | 8コア16スレッド |
最大クロック | (P)4.9GHz/(E)3.8GHz | (P)4.8GHz/(E)3.6GHz | 4.7GHz |
ベースクロック | (P)3.6GHz/(E)2.7GHz | (P)2.1GHz/(E)1.6GHz | 3.8GHz |
L3キャッシュ | 25MB | 25MB | 32MB |
TDP(PL1) | 125W | 65W | 105W |
最大消費電力(PL2) | 190W | 180W | - |
CPUのコアに関してですがIntelの12世代CPUの一部は
処理能力の高いコア(Pコア)と
電力効率の高い低消費電力コア(Eコア)の組み合わせとなっています。
Core i7シリーズの場合8コアのPコア(Hyper-Threadingにより16スレッド)
と4コアのEコアの組み合わせのため12コア20スレッドとなります。
またPとEはそれぞれ動作周波数の仕様が異なります。
Core i7 12700は消費電力が基本的には抑えられているため
ベースクロックがCore i7 12700Kよりも控えめとなっています。
ただし最大時の消費電力はK付きと大差ないため一時的なものであれば
近い性能を発揮します。
昨今のCPUは発熱や電力をモニタリングして処理能力を上げる仕組みが
ありますので、CPUクーラーはある程度いいものにした方がいいです。
メモリはDDR4の他にDDR5にも対応します。
どちらが使えるかはマザーボードに依存するので
マザーボードを選ぶ際は注意が必要です。
■性能比較
下記環境でテストを実施しました
・マザーボード:ROG Strix X570-F Gaming(5800X)
・マザーボード:TUF GAMING H670-PRO WIFI D4(12700)
・メモリ:corsair dominator platinum DDR4-2933Mhz 16GB×2
・グラフィックカード:DUAL-RTX3070-O8G
・ストレージ:960EVO 500GB
・CPUクーラー:NH-D15S
・CineBench R23 マルチ
Core i7 12700:14718
Ryzen 7 5800X:21524
・CineBench R23 シングル
Core i7 12700:1868
Ryzen 7 5800X:1560
・FF15
Core i7 12700:12400
Ryzen 7 5800X:12149
・FF14
Core i7 12700:23547
Ryzen 7 5800X:23018
3Dグラフィックのレンダリング性能を測定するCineBenchの
全コア結果は5800Xと比較して一段上のスコアになっています。
これはそもそもコア数が違うので当然と言えば当然です。
しかしシングルスコアもかなり差が開いているため
Core i7 12700のPコアが非常に優秀なのが分かります。
ゲームに関しては微増という感じですね。
DDR4というある意味制限された状態でここまででるので
本気であるDDR5にした場合どれほど変化するのか気になるところです。
発熱消費電力に関しても記載します
・CineBenchマルチ中消費電力/CPU温度
Core i7 12700:170W/83℃
Ryzen 7 5800X:138W/87.9℃
最大の消費電力は5800Xと比べ大きいものになっています。
ただ発熱は抑えられています。チップが大きいため熱が拡散しやすく
冷やしやすいのでしょう。
■感想
一応カテゴリ的には8コアとしてとらえていますが、性能的には
それ以上のポテンシャルがあるCPUです。
ただ値段は控えめとなっており、多角的に見て優秀なCPUです。
同種の12700K/KF/Fなどを除いた、5800Xや11700系を選ぶ理由はもうなく
頭一つ抜けた存在となっています。
同種間では住み分けされているので、価格重視GPU在り希望なら
12700を、GPU要らないので価格を更に抑えたいなら12700Fをなどと
選べるのはありがたいかと思います。