「毒舌少女のために帰宅部辞めました」を読んで

発売日:2018年11月1日
ページ数:292ページ

 

俺ガイルの13巻が出る直前に久々にラノベを読もうと思い

手に取ったのがこの一冊でした。
あらすじを読んだ時点で俺ガイルを意識した作品だと察しましたが

リハビリにはいいだろうとその点もこの時点では良い点として見ていました。

 

ざっくりとした内容ですが
帰宅部の主人公が先生からの依頼で容姿は良いものの性格に問題のある
美少女と過ごすラブコメ物となっています。
先に書いてしまうとこの作品私はつまらないと思いました。
それだけならそれで終わりなのですが、つまらないを通り越して怒りが
芽生えてしまったがために今回批判ともいえる文章を書くことにしました。
本筋からズレますが読み物を批評をする上で絶対にやらなければならないことが
あると私は考えています。それが読破することです。
途中で読むことを投げて、先の内容を知ってもいないのにつまらないなどと書くのは
批評をする上での最低条件を満たしていないと思っています。
この点は人それぞれだとは思います。
それではここからは本作品の個人的な問題点を書いていきたいと思います。

 

・主人公がどんな人物か読後ですらよくわからない
主人公は終始冗談ばかりで発言から人物像が見えてこず
またほかの登場人物が説明することもないのでこいつはなんなんだろう…となります。
そのくせヒロイン達からの好感度が無駄に高いのでヘイトが溜まります。
癖のあるヒロインのお供に選ばれた理由もよくわかりません。

 

・登場人物が多く、またキャラ描写が半端なので誰だったか分からなくなる
読み物を書く上で長期連載されているものはともかく、第一巻というのは
登場人物、特に名前ありのキャラクターを絞って各キャラクターを掘り下げるのが
基本なのではと考えています。
対してこの作品は名前ありが主人公を含めて9人ほど出てきます。
しかし無駄に出てくる割にその掘り下げがされないので上記の主人公が
どんな人物か分からないと同じように、周囲のキャラに関しても
どんなキャラなんだろうと良くわからずに進んでいきます。

 

・メインヒロインに魅力がない。ただ暴力的なキャラとしか見られない
メインヒロインは訳ありとは言え暴言系のキャラであり正直読んでるだけでイライラしてきます
理不尽暴言系ツンデレと同種の不快感でしょうか。
理不尽暴言以外の要素も持っていますが暴言比率が高すぎて
良い要素を多少出した程度では悪印象はまるでぬぐえません。

 

・起承転結の結での動きはまあまああるもののそれまでの面白みが薄い
主人公とヒロインは俺ガイルの奉仕部的な感じで色々な部活の手伝いをします。
テニス部、新聞部。美術部など。しかし数はこなすものの内容が大してなく
ヒロインの秘密に関する話まで正直退屈な描写が続きます。

・とってつけたような俺ガイル要素
多分これがなければわざわざ叩くような事はしなかったんでしょう。
ただてきとーにガワだけ使ったはいいものの中味がない半端さは
俺ガイル好きな私を苛立たせるには十分なものでした。
主人公の露骨で意味もなさそうな帰宅部アピ、先生に言われて謎の集団に組み込まれる
謎の部室等々もう少しひねってみてはと感じます。

 

・最後に感想
こんだけ叩いたけどいいところも…ありません。
俺ガイルのくそ劣化作品出すならくそでもいいから

独創性を出せという怒りを抜きにして微妙な作品でした。

上記で書いたように色々ダメな点はありますが特筆してダメなのは
キャラクター描写でしょう。全然その人物像が見えてこないまま話だけが進行すると
非常に話が薄っぺらに感じてしまいます。


最後にやはり勢いでラノベを買うのは良くないなと思った次第です。
その点でアニメっていうのはいい判断材料になるなと感じました。
そんなわけで前期で面白かった青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないが
面白かったので原作ノベライズに手を出していこうと思ってます。